電波時計が受信できないを解決するサイトです

日本の一般的な電波時計は、JJY(日本標準時(JST)を送信する国立研究開発法人情報通信研究機構)からの標準電波を受信して、時刻を自動的に調整する仕組みです。

ところがこの電波は良好に受信できる場所が意外と少ない為、時刻が合わない事が多い様です。 しかし電波時計を移動して強制受信させるのも面倒だし、設置場所に悩んだりしていませんか?

そこで、標準電波が受信できない場所でも受信できる方法を徹底調査し、対策を詳しく解説しました。
特にリピータについては、実際に使用して電波が受信できるか確認しましたので、是非最後までご覧下さい。

注:本記事の記載について
  • 一般的な電波時計(JJYの電波受信型)を「電波時計」と記載し、他の受信方法の電波時計を「Wifi電波時計」、「中波電波時計」等と記載します。
  • この記事では、完成した製品のみを掲載しています。アプリ「JJY Simulator」を使った方法やキットの自作などは、使い勝手が悪い、又は手間がかかる為除外しています。
  • 対象の時計は、掛時計・置時計です。

電波発信機(リピータ)を使う


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外部の標準時刻に同期して正確な時刻を表示する市販の主な電波時計は、「電波時計(JJYの長波受信)」、「無線LAN(WiFi)電波時計」、「GPS電波時計」、「中波電波時計」の4つに分類されます。

このうち、電波時計(JJYの長波受信)は、外部からの電波が届かない(届き難い)ことがある為、受信(信号データ)が不十分となり、標準時刻の同期が取れない事が度々発生します。

そこで、標準電波を「発信機」で送信して電波時計に受信させる方法が、この電波発信機(リピータ)を使う方法です。この方法なら、外部電波が届かない部屋の奥などでも電波時計が使えます。

令子令子

家の中に電波送信所を作った感じね!

電波発信機(リピータ)の特長

一般用の電波発信機(リピータ)の発信電波の種類は、長波(一般の電波時計用)とGPS波(GPS電波時計用)の2種類が有ります。
また標準時刻に同期するデータは、「インターネット・SNTP」、「AC電源の周波数(50Hz/60Hz)」、「GPS衛星」の3種類から取得します。

電波発信機(リピータ)の良い点と難点は、次のとうりです。

良い点
  • 標準電波が届かない所にも電波時計が設置できる。リピーターを増やせば設置範囲が広がる
  • 電波時計が自由に選べる(★このメリットは大きいです)
難点
  • リピータから遠い所や壁が有ると受信できない(又は受信し難い)

電波発信機(リピータ)を実際に検証

では実際に自宅のマンション(鉄筋コンクリート構造)でリピータを使ってみて、どの程度電波時計に受信効果があるのか実力を検証してみました。

今回テストに使ったリピータは、標準時刻を(NTPサーバーから)Wi-Fi無線接続で時刻取得するタイプ(共立電子_Wi-Fi式電波時計用リピータP18-NTPWR)です。
仕様上の発信電波の送信距離は最大10mで、常時発信されています。

この製品は、WiFi ルーターの設定を行いますので、ある程度のネットワークの知識が必要です、、、、が、マニュアルどうりに設定すれば良いので、ご安心下さい。(詳しくは次のyoutube動画をご覧下さい)


引用先:Youtube)共立電子

さて、リピータの設置場所を検討するにあたって、現在の各電波時計の位置と受信状況(良好に受信できているのか、受信できないのか、、)を確認しました。
ちなみに私の自宅の場合、無線LANの強力な中継器(TPLINK 無線LAN中継機 [11ac/n/a/g/b] AC2600 MU-MIMO RE650
)等、合計2台使っているので、リピータの位置は何処でも可能です。

検討後のリピータの位置と電波時計の配置が下記の概略図です。(標準電波を良好に受信している電波時計はここには記載していません)

 ・A~Dが電波時計、中央の背景ピンクがリピータです。高さは1.5M~2M程です。
 ・青点線矢印が、リピータから送られる電波の方向で、概算の距離も記載しました。
 ・赤点線は、電波が通過する壁等の障害物です。(壁の厚さは約80mm)


【リピータ設置のポイント】

リピータ設置前:電波時計AとCは、標準電波が殆ど受信できません。また窓側の電波時計BとDは、時々標準電波が受信できます。
リピータの設置:電波強度が高い方向をAに向け、Cに近い所に(Cは壁を2つ挟んでいる為)設置しました。

【リピータ設置後の結果】

  • 電波時計A⇒◎常時受信OK:S社の時計は時々受信しなくなる為、感度が良いC社の時計に変更。
  • 電波時計B⇒○受信OK:大体電波が受信できます。リピータの弱い電波方向と推測。
  • 電波時計C⇒○受信OK:大体電波が受信できます。壁2枚挟むと電波が急激に弱くなる様です。
  • 電波時計D⇒◎常時受信OK:薄い壁2枚なら電波をそこそこ通す様です。

総じて家の電波時計がほぼ正確に時刻を刻む様になり、満足な結果となりました。
嬉しいことに、奥の棚で保管していた腕時計達もリピータの電波を受信して正確な時刻になりました。

【考察(判った事)】

  • リピータの方向や壁などの障害物によって電波の強弱差がかなり有った。
  • 電波時計はメーカーや機種によって受信感度の差が有る為、的確な配置が必要と思います。

 

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数メートルの距離を測るのに、いちいち手測りするのは面倒だと思いませんか?
レーザー距離計ならば、簡単且つ正確に距離が測れます。 とても便利です。
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【広告】リピータの一覧

現時点(2023/12/1)で、比較的安価なリピータは共立電子です。
工場用等広い場所で使える数万円程度するリピータも有ります。一度設置すれば、ずっと正確な時刻が得られるので大助かりです。

メーカーと型名(Amazon.co.jp) 楽天市場 方式 主な特徴

KEISEEDS 共立電子産業 電波時計信号送信機能付き時計(黒) P18-NTPLRBK
【時刻取得】
インターネット・SNTP
【接続】有線LAN
【電源】DC5V
(ACアダプターから供給)
共立電子のスタンダードな電波時計信号送信機能付き時計です。
最大送信距離は約10mです。
色は、ブラックとホワイトの2色から選べます

ケイシーズ Wi-Fi式電波時計用リピータKEISEEDS P18-NTPWR
【時刻取得】
インターネット・SNTP
【接続】Wi-Fi(無線LAN)
【電源】DC5V
(ACアダプターから供給)
P18-NTPLRBKの有線LAN接続に対し、Wi-Fi(無線LAN)接続で時刻取得するタイプです。
実際に使った項を参照して下さい。

共立電子産業 AC同期式時刻送信機 P18-NTPAC
【時刻取得】
AC電源の50Hz/60Hzに同期
【接続・電源】
専用ACアダプタ(AC9V)
AC100V交流電源の周波数に同期して時刻取得するタイプです。
この為、Wi-Fi、GPSなど
電波が全く届かない場所に威力を発揮します。

ケイシーズ GPS式電波時計用リピータKEISEEDS P18-NTPGR
【時刻取得】
GPS衛星
【接続】GPS衛星
【電源】DC5V
親機:ACアダプターから供給
GPS子機:電池又はACアダプター
GPS衛星が送信する時刻データを元に時刻取得するタイプです。
親機(電源、信号処理)+子機(GPS受信)の構成で、親機と子機間の最大距離は
約50mです。
インターネット接続が出来ない環境で使用できます。

共立電子産業 超高精度水晶式時刻送信機 P18-NTPSA
【時刻取得】
水晶発振子
【接続・電源】
ACアダプターから供給
超高精度の水晶発振子から時刻を取得するタイプです。
初期設定で時刻を合わせれば後は
インターネット接続が出来ない環境で使用できます。

日本アンテナ 電波時計用NTPリピーター 有線LAN用(Ethernet) 輻射範囲10m以内 NTPLFR
【時刻取得】
インターネット・SNTP
【接続】有線LAN
【電源】DC12V
(ACアダプターから供給)
Wi-Fi(有線LAN)接続で時刻取得するタイプです。
最大送信距離は10Mと広範囲です。
(最大送信距離が5Mのタイプも有ります)

日本電波 NAR-40P 親機 電波時計レピータ AC同期式 工場・事務所等の時間管理に最適 日本製 日本国内専用
’———- 【時刻取得】
AC電源の50Hz/60Hzに同期
【接続・電源】
ACアダプターから供給
AC100V交流電源の周波数に同期して時刻取得するタイプです。
必ず親機+子機の組合せで使う必要が有りますが、
子機が10台迄増設出来る為、相当広範囲な場所に電波が送信可能です。
(中継電波の範囲は、最大500m)

健太健太

事前に製品マニュアルを確認したい方は、「共立電子のサイト」 にリンク先が有りますので参照下さい。


無線LAN(WiFi)の電波時計


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無線LAN(WiFi)の電波時計の特徴

これは、無線LANに接続できる電波時計の事で、インターネット上のNTP(時刻情報)サーバーと同期して時刻を取得しています。
従って無線LANのネットワーク環境が必須となります。

最大のメリットは、無線LANの環境次第で広範囲な場所に電波時計が設置できる事です。
難点は、このタイプの電波時計の機種数が少ない事です。(国内より、海外の無線LAN(WiFi)受信の電波時計が多い様です)

無線LAN(WiFi)受信の電波時計の良い点と難点を纏めると、次のとうりです。

良い点
  • 標準電波が届かない所にも電波時計が設置できる。中継器の追加等で広い範囲に設置できる
  • 安価な機種もある
  • 電波の強さがアプリでも確認できる(下記*1)
難点
  • 機種数が少ない
  • 設置場所がやや制約される。電力消費量が大きい為、AC100V電源(DC5V変換)機種が大半
  • 無線LANの環境が必須

【注*1】 電波の強さがアプリでも確認できる:IO DATA社からフリーソフト 「Wi-Fiミレル」 が入手できます。
このソフトは、wifiの電波強度や速度をスマートホン等で測定でき、数値やイラスト等で確認できる優れものです。

【広告】無線LAN(WiFi)の電波時計の一覧

メーカーと型名(Amazon.co.jp) 楽天市場 仕様 主な特徴

ノア精密 MAG(マグ) 無線LAN置掛両用時計 セットレス W-787 WH ホワイト&USBアダプター&クロス
【サイズ】
w182*h125mm
【電源】DC5V
(ACアダプター(別売)から供給)
無線LAN受信型では数少ない液晶パネルの時計です。
また、スマートホン等とテザリングで同期させる事ができます。
ACアダプターは別売となっています。

Little Green WIFI 自動時刻同期 時計 高精度置き時計アクリルプレゼント父の日 (ケースだけ組み立て必要) (ブラック)
【サイズ】
w118*h49mm
【電源】DC5V
(ACアダプターから供給)
低価格な時計です。
綺麗なLED表示に、明るさ調整機能が付いている為、寝室にも使えそうです。
デメリットは、ケース組立式で手間がかかることです。

デジタル時計 スマートWifi自動時間同期ネットワーク時計ミュート壁掛け時計現代ミニマリストリビングルームクォーツホームクロック (Color : B, Sheet Size : 16 inch)
‘- – – – 【サイズ】
w406mmΦ
【電源】電池
WiFi受信型では数少ないアナログ表示の時計です。
色は、「シルバー」「ブラック」「ホワイト」の3色から選べます。

「2023最新」Blueekin デジタル時計 LED大画面 WiFi時間自動修正対応 大型 明るさ調整可能 見やすい 壁掛け置き兼用 目覚まし時計 大音量 タイマー機能 掛け時計 卓上置き時計 おしゃれ アラーム スヌーズ機能 時間/カレンダー/温度表示 12H/24H時間表示(アイスブルー)
【サイズ】
w360*h150mm
【電源】DC5V
(ACアダプターから供給)
大きなサイズのLED表示なので、離れた場所からでもはっきり読み取れます。
色は、「ブルー」「アイスブルー」「ホワイト」の3色から選べます。多くの店から販売されている時計なので、タイムセール等を狙ってみるのも面白いですね。

ハイジハイジ

スマホと同期できるなら、もっと普及して欲しいわ。今後に期待

中波受信の電波時計


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中波受信の電波時計の特徴

標準電波(長波、40/60KHz)の送信所は日本には2か所しかない為、送信所が多く送信出力が強いAMラジオ(中波)の時報を受信してより広い範囲で受信できる電波時計が中波受信の時計です。

実際中波も受信できる市販時計は、シチズンのスリーウェイブ(又は高感度とも言う)時計のみで、標準電波(長波、40/60KHz)と中波の3波が受信できる時計です。

中波受信の電波時計の良い点と難点を纏めると、次のとうりです。

良い点
  • 普通の電波時計に比べ、設置場所が広い
難点
  • どの電波も受信できない場所がある(部屋の奥など)

 

【広告】中波受信の電波時計の一覧

メーカーと型名(Amazon.co.jp) 楽天市場 仕様 主な特徴

リズム CITIZEN シチズン 電波時計 掛け時計 広範囲受信モデル M853 見やすい フォント 静かな秒針 銀 4MY853-019 φ33.5×4.7cm
【サイズ】
w335mmΦ
【電源】
単3電池*2ケ
オフィスにマッチしたデザインで遠くからでも文字がはっきり見えます。

スリーウェイブでは低価格なモデルです。


リズム(RHYTHM) シチズン 掛け時計 電波時計 アナログ ソーラー 補助電源 グリーン購入法 適合商品 秒針なし 緑 CITIZEN φ34.6×5.2cm 4MY851-005
【サイズ】
w346mmΦ
【電源】
CR2032+ソーラー補助
バックアップ2016
スタイリッシュなデザインの時計です。

電源がCR2032+ソーラー補助という変わった構成です。

 

それでも標準時刻に(同期)しない電波時計がある場合

これまで説明した方法でも標準時刻に(同期)しない電波時計がある場合は、次の2つの方法をご提案致します。
◆1.電波発信機(リピータ)と(「無線LAN(WiFi)の電波時計」又は「中波受信の電波時計」)を組み合わせる
リピータは指向性(水平方向)と到達距離の限界がある為、どうしても受信し難い(受信できない)電波時計が生じる場合が有ります。
そんな時は、受信できない時計を「無線LAN(WiFi)の電波時計」又は「中波受信の電波時計」に変えてみるのも一つの方法だと思います。

◆2.電波発信機(リピータ)を増設する
共立電子のリピータには、発信周波数が切り替えられる(40Hz/60Hz)ものが有りますので、リピータを増設してみるのも一つの方法だと思います。

リピータの増設時のご注意


共立電子様に、リピータ(P18-NTPWR)の増設(2台以上を同時使用)について質問したところ、******以下の回答を頂きました。
ご参考になれば幸いです。
*****************************************************************************************
下記の点についてご注意いただくことで、複数台を同一の空間に設置し運用することは可能です。
・複数台のP18-NTPWRは、それぞれ独立してタイムサーバへ時刻の取得を行い電波の送出を行うため、送信される時刻データや電波の位相は連動いたしません。
各機器の設置場所や電波送信設定を変更し、混信を回避するための設定と試運転が必要となります。
・隣接するP18-NTPWR同士の送信周波数は、互いに異なる設定(40kHzと60kHz)にすることを推奨いたします。
・各機器のカバーする範囲が重なった場合、混信の原因となる場合がございます。
そのような場合は、送信出力の設定値は最大の99が最適となるとは限りません。各機器の電波の到達範囲が重複しないように送信出力を下げることで受信成功する場合がございます。


おわりに

最後までお読み頂き、有難う御座いました。

今回は、掛け時計型と置き時計型の電波時計について対策を解説しましたが、今後は腕時計型も詳しく調査して解説したいと考えています。

いつまでも皆様の快適な生活がおくれる事を望んでいます。